[#014] | ||||
1タイルが1エーカーなワケ | ||||
(02/06/02) | ||||
SimCity 3000は1タイル=1エーカーの原則となっていると[#002]で述べた。ではこれまではどうだったのだろうか考えてみよう。 SimCity 2000は非常に簡単である。というのも3000の時と同じように公園を調査ツールで確認すると市内の総面積を○○エーカーで表示してくれるようになっているので1タイル=1エーカーとする事ができる(3000は勘違いして平方メートルになっているが)。 ではSimCity classicはどうだろう? それがわからない。というのも、調査ツールを使って公園の総面積を見るという同じ手法で調べようとしても、公園の総面積という情報はのっていない。他のやり方も存在しないし、関係図書にも載っていないので、調べることは不可能である。 といってもシリーズ通して警察署や道路や電線など面積は変わっていないので、1タイルの面積が同じであり続けていそうな気はする(システムを大改訂していなければの話だが)。但しこのままでは推測にしか過ぎない(レポートは推測だらけだが)ので検証をしてみることにする。 まず、疑うべき点はシリーズ通してシステムが同じなのか、という点である。 基本的なシステムは[#011]で述べたようにバンゲリング・ベイのマップツール(すなわちタイル式)のイメージから始まったということで、一定のサイズのタイルに要素を置いていく形式の原型が出来ていた。 そう、地図にドット単位で絵を描くような感じで行う形式とは異なるわけだ。その時点ですでにSimCityは「要素と要素の関係」を重視する方向へといっているというわけですね。 すると、その要素間の距離、というのがシミュレーションとして都市の理論を元に動かす時に大きなウェイトを占めてきます。確かにタイルの面積による人口密度なども重要なのですが、移動(活動)してこその都市ですからこの要素間の距離というのも重要なことと言えるからです。 では各SimCityを比べてみましょう。テスト条件は3×3タイルの住宅地区と工業地区を道路で結んで、道路がどれだけの長さまで行くかというテストです。 まず、SimCity 3000でやってみます。シムシティ3000公式戦略ガイドに載っている情報では住宅から工業地区までの道路を使った最大距離は33タイル、となっているのでそれを確認してみます。 |
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というわけでこれでは実験できないじゃん、というお粗末な状況に至ります。期待させておいてスミマセン。 ・・・どうしようもないので違うアプローチを試みます。具体的に言うと、実際にはどういう感じで区画されているかを考えるのです。 まず、平方フィートを面積単位に用いるのは無理があると思います。というのも、フィートはメートルよりも小さい数(1フィート=0.3メートル)なので、仮に1タイルをエーカーじゃなくて100平方フィートを選択するとなると、より細かな描写が求められる(1エーカー=44,100平方フィートなので)。・・・見られないからいいんですが。 そもそも本来アメリカではエーカーを面積の単位としていることが多いのですんなり1タイル=1エーカーと理解してもいいんですけどね。日本でもありますよね、敷地に使うアールやヘクタール、坪などの単位が。建物内の面積は平方メートルを使うこともありますけど、それと同じくアメリカでは家の中の面積は平方フィートを用いることが多いようです。 ということはやはりSimCity classicも1タイル=1エーカーと考えても差し支えないと思います。
また、一区画の土地のことを英語で「lot(ロット)」というんですが、これが1タイルと考えてもいいかもしれません。このロットは日本語の「区画」同様、定義が存在しない為サイズがまちまちで、それをSimCity内で1タイル=1区画(ロット)というように規定しているのかもしれません。 そうすればSimCity classicの3×3タイル(区画)を1ブロックと想定して作ったのもうなずけるような気がします。 予め決められたタイルのマス目にモノを配置するというのは、お絵かきソフトで書かれた地図のように面に線を引くように自由にできるようなに比べるとリアルではないかもしれません。が、シミュレーションさせるということはタイル上に存在するその要素自体に情報と活動が内包されていなければできません。 そう、本当にリアルにしたいのならば、ドット単位で地図が書けると共に、そのドット一つ一つが意味を持つようにプログラムしないといけないのです(距離と言う観点から見てもそう)。もっとも、そんな計算、今のコンピュータならできなくはないと思いますが。 |
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参考文献:「ウィル・ライトが明かすシムシティーのすべて」、「任天堂シムシティー公式ガイドブック」、「ゾーニングとマスタープラン」、「現代の都市法−ドイツ・フランス・イギリス・アメリカ−」 |
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