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SimCityと水利用(1) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(03/04/10) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
水はSimCityならずとも人間が存在していくために必要な存在だ。 地球上に存在する天然水の総量は約14億km3(想像不可能)と言われ、うち約97%が海洋水で、淡水は約3%なのだが、そのうち約7割が氷河・万年雪なので、実際に利用できる水は地球上に存在する天然水の内の0.0001%しかない。数字にするとわずかのように感じる水だが、どれだけ我々が水に親しんでいるかは言うまでもないだろう。 「都市」という観点から見ても、古代の四大文明も川の流域から発生したことを考えればいかに人と都市が切っても切れない縁というのはわかる。水道技術が発達する近代までは、水源である川(もしくは淡水湖)から離れたところに都市を作ることができなかった(井戸があるところももちろんあるが)。それぐらい人の(特に都市)生活には水が必要なのだが、工業技術が発達した現代ではなおさらその重要性は高くなっている。 わざわざ説明するまでもないが、水の利用はおもにこのような図式で行われている。 |
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※青矢印は再利用を示している ※都市活動用水:トイレや植木の水やり、冷房などに使用(雨水を中水道ということもある) ※都市の側溝などに流れ込んだ雨水は貯水プールに貯めて汚れを沈殿させ、 上に集まる水は直接河川に、下に溜まった汚水は下水道へまわされる。 ※下水道はいくつかの自治体が共同で運営されることもあるし、それ自体ないところもある。。 |
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我々になじみ深いのが生活用水である家庭用水であるが、その他にも工場や発電所などの作業プロセスの中で使われる工業用水や、田んぼなどに水を送る農業用水(一ヶ月単位いくらで取引されることもある)などがあり、この図から見てわかるように一口に水利用といっても様々なプロセスがあることがわかってもらえるだろう。近年では雨水利用の技術がかなり進歩している模様で、ビルの屋上に降った雨をトイレなどに回したりするのもずいぶん増えてきたようだ。 人が生活する上で欠かせない水は、現代の都市生活には手作業による農業を中心とした古代以上に水を必要とする。飲み水としてだけではなく、風呂・トイレ・洗濯・冷房・洗車・工業用水・・・・様々な用途に水は用いられるようになり、さらに水の消費が拡大することになる。その為に都市計画においても重要なウェイトを占めるようにもなる。 SimCityもそんな現代の社会システムを反映し、水の供給がないと地区の建物があまり発展しないようになっており、また建物の大きさによって水の消費量が異なるようになっている(SimCity classicを除く)。 そこでまずSimCityでの水道システムの変遷を紹介する。 |
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このように言われてもシリーズを通して知っているわけではない人には何のことかわからないのできちんと説明していく。 まず、SimCity classicとそれ以降の作品で大きく異なる点と言えば、「水道」システムの追加という点が大きな特徴としてあげられる。このシステムは、基本的に 水源→ポンプ場・貯水塔・脱塩施設→(水道管)→建物 のようになっており、農業用水や工業用水などの分類別がないことを除けば大体先ほど説明したものに該当する形となる。この場合の水源は川や湖などの水タイルの他にも、貯水塔の場合だと地下水も存在するという設定になっており、それをポンプ場(水タイルの近く)もしくは貯水塔(水辺じゃなくても可)、あとは海岸で脱塩施設を使うことにより水道として使うようにできる。ただし、SimCityの水道システムには下水の概念がやや曖昧なものとして存在しており、下水処理に相当するような水処理施設も存在するが、基本的に上水道・下水道と分かれているワケではなく、そこに建つ建物(工場など)の活動により水道全体が汚染され、水処理施設にてそれを除去するという仕組みになっている。そのためか取水施設であるポンプ場などに浄水設備※などが見受けられない。 SimCityに出てくる水施設をちょっと見てみよう。 |
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SimCityでの水道システムは簡単にまとめると、水は給水施設から手に入れることができるが、それは淡水であるか塩水であるかにより取水施設が異なり(出来ないことはないが)、さらに水源の汚染が有る場合は取水量が下がったりする。また、水道管によって水質汚濁が始まっている場合は、健康への影響などの悪影響をもたらすことになる(これは水処理施設によってしか防げない)仕組みになっている。 また、水がタイルとして存在するだけという流れを持たない存在になっていることによって(SimCity 2000では坂に水を置くと滝となり水力発電が利用できるが)、ダムのような貯水の概念がなかったり、汚染が川下に流れていかなかったりというようにもなっている(ダムについては[#033]を参照してもらいたい)。 この時点でSimCityと現実の水利用の考えが若干異なると判断できるが、SimCityの制作に大きな影響を与えているアメリカと日本の水事情の比較を行いながらもう少し深く検証してみることにする。 [→SimCityと水利用(2)へ] |
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※浄水・・・そのままでは安全に飲むことができないためにする処理で、 「急速ろ過方式」・・・複雑な工程を経る必要があるが、濁りなどもクリアに出来る。消毒が欠かせないため、塩素などの濃度が高い。戦後、雨の後濁流になる日本の川に適しているということで急速に普及。 「緩速ろ過方式」・・・土や石のフィルターを通してろ過する文字通りの「ろ過」。濁りを除去するのが難しく、時間と場所が必要と言われているので効率化社会で見捨てられたが近年復活傾向にある。 「高度処理」・・・オゾンと活性炭を用いた殺菌を行う急速ろ過方式。これによりトリハロメタンなどの数値がかなり下がる。 「日経ECO21 2000年7月号」より引用 |
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参考文献:「河川と人間」「川と開発を考える−ダム建設の時代は終わったか−」「砂漠のキャデラック−アメリカの水資源開発−」「都市計画概論」「水とごみの環境問題−環境工学入門書−」「日経 ECO21」「シムシティ3000 公式戦略ガイド」「シムシティ2000公式ガイドブック」 |
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